写真Tips【第1回】商品写真をスマホでキレイに撮る
松寿 英次全国のWeb担当者のみなさま、こんにちは。
ブログを更新するとき、スマホやコンデジで宣伝用の商品を撮って載せることってありますよね?できるだけ訴求力のある写真を撮りたいけれど、ブログ用の撮影に時間や手間はかけられません。でもほんのちょっとの工夫で、写真は随分キレイに撮ることができます。
写真Tips・第1回目の今日は、高性能なカメラや特別なライティングを用意しなくても、必要十分なクオリティの商品画像が撮れるというお話しです。商品サンプルの撮影風景を見ながら、読み進めていきましょう。
目次 | Index
1.基本は白紙を敷く
今回、栗の甘露煮の真空パック・サンプルが手に入ったので、早速撮影してみます。使うカメラはiphone6Plusの標準カメラ機能です。下に白い紙を敷いて撮ります。撮影後に特別なアプリは使いません。(写真1)
しかし今回の撮影条件を見ると、白い紙を敷いただけではキレイに撮るのは難しいかもです。(写真2)
蛍光灯の光だけの空間なので、デスクの上に平置きした状態で上からカメラを向けると、まともに自分の影が商品に落ちてしまいます。できるだけ影が被さらないように、カメラの位置を斜めにずらしても、完全には取り去れず、商品にもパースが付いてしまって歪んで見えます。(写真3)
2.自分の影を落とさないように
ここでひと工夫します。下の画像を見てください。
影が被らず、形もまっすぐに撮れています。(写真4)どうやったのでしょうか?
そうです。商品の後ろに支えを置いて、立てかけた状態で撮ったんです。(写真5)これで、まっすぐ撮れる位置からカメラを向けても影が落ちません。だいぶキレイに撮れました。
この時のポイントは、白い紙を縦置きにして商品はいちばん手前に持ってくることです。白場の奥行きをたっぷり取ることで、商品の上部が白場に入らなくなることを防ぎます。これ、慣れてないとセロテープで固定して、いざ撮ろうと思ったら背景の白場が足りなくて「もぉ〜!」って言いながらセロテープを剥がして設置し直すことになります。
もう一つのポイントは、身の回りの物を上手に使うことです。撮影用にわざわざ小物を揃えなくても、小さな箱やダンボールの切れ端を使うなどして、その場に間に合わせます。セロテープがとても役立ちます。ツルツルした白紙の上だと商品が滑ったり傾いたりして、なかなか安定しないことが多いです。セロテープでさっと留めて、サクッと撮ってしまいます。ちなみに、今回の真空パックは板状で柔らかいので、そのまま立てかけると湾曲してしまいました。なのでハサミでダンボールを適当な大きさに切って、セロテープで背面にくっ付けて、曲がるのを防いでいます。これも現場に置いてあった不要なダンボールを使っています。要は状況に応じてササッとやることです。
とにかくいろいろ工夫する
さて、今回は運よく商品サンプルが手に入ったので、パッケージだけでなく中身もしっかり撮りたいです。お皿に移して撮影を続行します。
あくまで業務用商材としての商品なので、主張のない白いお皿を使います。写真では大皿にざっくり盛った横に6粒ほど別に分けています。盛り付けた際に「寿」の焼印が一番綺麗入ったものを上に持ってくるためです。撮影中、栗の表面がどんどん乾いてきてツヤが消えてしまうので、蜜を別の容器に入れておいて、シャッターを切る直前に栗に垂らして、ツヤを復活させます。(写真6)
まず、そのまま白紙に直置きで撮ってみます。やっぱり自分の影が落ちてしまいます。(写真7)
では、ひと工夫した写真を見てください。(写真8)
きちんと撮れてますね。横から見るとこうなっています。(写真9)
なにやらお皿の下に小皿を置いて、白紙から距離を取ってますね。これはお皿の下に出る影を薄くするためにやっています。もっと高さを稼ぐとさらに影は薄くなります。(写真10)
手元にあった小皿が一番使いやすかったので、ささっと裏返して、その上に栗の入った大皿を乗せて、滑らないようにセロテープで固定。そのセロテープが小皿のさらに下にあるのは、栗の皿を手前に傾けて自分の影が落ちにくくするためです。
丸い栗と液体の蜜であまり傾けられないので、このセロテープの高さが丁度良かったです。でも傾きが不足していて、お皿が真ん丸に写るようにカメラを構えると、まだ自分の影が被さってしまいます。
そうなった場合は、撮影の向きを変えます。蛍光灯も自分との位置関係で影の向きは変わるので、蛍光灯の光が右前から差すように撮影位置を変えることで、自分の影が落ちないようにしました。このへんは、撮影セットが簡素な分、臨機応変にできて楽なところです。
4.窓際の自然光でワンランク上の写真に
最後に、この写真を見てください。(写真11)
先ほどの写真よりキレイだと思いませんか?栗の色も美味しそうですよね。これは別の場所で、窓際に持っていって撮っています。(写真12)
見てください。なにやら板状のものを片手で持っています。実はこれ、白いダンボール箱をレフ板がわりに使っています。これで光を反射させて、影の出方を抑えています。(写真13)
窓は商品の左側にあるので、影が右側に強く出るサイド光になります。そのまま撮影すると、下記のように影がしっかり出た写真になります。(写真14)
これはこれで、コントラストが効いてとてもキレイに感じますが、今回の商品は雰囲気よりも真空パックから出した商品の状態を重視したいので、影の少ないほうを使うことにしました。
まとめ
いかがだったでしょうか?商品撮影というと、それなりの撮影機材やしっかりとしたライティングが必要と思いがちです。限られた時間の中ではちょっと難しいですよね。でも今回のように、白紙を敷くことを基本に、光の当たり方を工夫をしていけば、スマホカメラでも光の条件が悪くても、商品画像として必要十分なクオリティの写真を撮ることができます。
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