卓上三脚を使って、暗い場所でもノイズを少なく撮る【写真Tips第10回】

松寿 英次
便利な卓上三脚を買いました

こんにちは。

前回のブログでは、商品をiphoneで撮ったときに、コンデジと比べて随分と見劣りする写りになってしまいました。その原因は、暗い室内で撮ったため、画質が低下したからです。そこで今回は、暗い場所でもiphoneのカメラ性能を落とさずに、きれいに撮る方法を試してみたいと思います。

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スマホには小型軽量の卓上三脚がよく似合う

いきなり答えですが、三脚を使います。以前のブログでお見せした、ダンボール製の自作カメラホルダーを使った撮影では、三脚も大きくて、スマホなのに全然スマートじゃありませんでしたよね。

自作ダンボール製のスマホホルダー

なので今回、新たに小型の三脚を購入しました。といっても低予算がモットーの当写真tipsブログ、高価なものは買いません。そこで100均の出番です。こんなものが売ってました。

100均で売っている卓上三脚とスマホホルダー

卓上三脚とスマホを固定するホルダーです。2点でたったの216円!一番上の写真が装着した状態です。スマートになりました!

 

暗い場所で三脚を使用するメリット2つ

ここからが本題ですが、暗い場所で商品を撮るときに、三脚を使用するメリットは2つあります。

1.手ブレを抑えて滲みのないクッキリした写りにする

これはご存知の方も多いと思います。難しい話は避けますが、暗い場所で商品を撮ろうとした場合、光が足りません。その時、カメラはシャッター速度を下げて撮ろうとします。レンズを通る光を通常より長い時間、撮像センサーに当てることで、足りない光を補おうとします。手持ち撮影の場合だと、シャッターが長く開いてセンサーに光を届けている間に、カメラが揺れたりしたそのズレが画像に描き込まれてしまい、手ブレした写真になります。これを避けるための確実な方法として、三脚を使用します。

2.ISO感度を低く保ってノイズを少なくする

こちらは知らない方も多いと思います。暗い場所で撮ろうとしたとき、オートのカメラはシャッター速度を下げると同時にISO感度を上げて、少ない光を増幅して撮ろうとします。現状の光を少し無理して強調させて撮ろうとするので、画面にザラっとしたノイズが発生します。画質が悪いと感じる写真の多くは、ノイズが増えて質感とコントラストが落ちることに起因しています。三脚を利用することで、ノイズの発生を抑えてクリアな写真が撮れます。(ノイズが減る理由は下記に続きます)

 

三脚を使った時と手持ちでの画質の違い

これから実際に暗い場所で撮ってみます。撮影場所は自宅の一室で、間接証明だけの光にしてみました。

電球色の間接照明の光だけで撮ります

この写真はコンデジを使って、肉眼で見たままの写りになるように撮っています。電球色のウォームトーンでとても暗いですよね。画面中央の机の上に、卓上三脚にセットしたiphone6sが置いてあるのがわかりますか?商品もセットされています。撮ってみるとこんな感じです。

 

ハーモニカ:三脚に固定して撮影

 

今回は、写真の解像度をいつもの2倍くらいにしていますので、細部を拡大したりして比較してください。

商品に見立てているのは、17年くらい昔に買ったハーモニカです。もう吹いてませんが、写真のほうはしっかり写ってます。相当暗い場所で撮っているわりにノイズが少ないです。iphoneのカメラは高画質ですね。

では、同じ写真を手持ちで撮るとどうなるのか、下の写真を見てください。

 

ハーモニカ:手持ちで撮影

 

拡大すると、随分と画質が落ちているのがわかると思います。これは、手持ちでも出来るだけブレない写真を撮ろうとして、iphoneが頑張った結果の写りです。

どういうことかというと、

まずiphoneカメラは、暗い場所でカメラを手持ちで構えていることを察知します。手持ちだから手ブレしない程度のシャッター速度にしか落とせません。でもそのシャッター速度だとセンサーに当てる光が足りません。なのでISO感度を最大限に引き上げて、足りない光を補おうとします。するとノイズが発生してザラついた写りになります。しかも今回の撮影条件では相当暗いので、シャッター速度も手持ちの場合の最低速度になってます。なので僅かに手ブレが起きて画像が滲んでしまっています。

逆に、三脚を使用した場合、iphoneカメラは手ブレが起きないと判断し、シャッター速度を最低速まで下げて、じっくりとセンサーに光を届けます。その分ISO感度は上げずに高画質を保って撮ってくれます。

以上のように、暗い場所で撮影する場合は、三脚を使うことでオート撮影のiphoneでも高画質で撮ることができます。これは他のスマホやオート撮影のコンデジでも同じだと思います。

 

コンデジとの写りの違う理由は他にあった

しかし、今回撮影してみて、前回の撮影でiphoneの写真が見劣りした原因の多くは、別の要素にあることがわかりました。

それは色味です。前回は暗めの蛍光灯の光で、商品の「直火炊き子持鮎甘露煮」は美味しそうに写りませんでした。そして今回の電球色の間接照明では、本当はもっと雰囲気のあるアンバーな写りになってほしかったです。どうやらiphoneカメラのオート撮影では出ない色味があるようです。その証拠にハーモニカの写真をコンデジで撮ってみると、こんなに綺麗に写ります。

 

コンデジのマニュアル設定で撮影

 

これは、コンデジのオート撮影を解除して一部をマニュアル設定で撮った写真です。見たままに近い写りです。上の撮影場所の室内写真も同様の撮り方にしています。この写りをスマホでも出せないでしょうか?

というわけで、次回はスマホ写真で色味を調整できるかどうかを考察してみたいと思います。

 

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